2009年6月21日日曜日

ミツバチは何処に行った???




数年前からアメリカでミツバチが巣に帰ってこない。かといって、どこかで大量の死骸が見つかったわけでもないという奇妙な出来事が続いています。今年になってここ信州でも原因不明のミツバチの大量死がおきていて養蜂家、ミツバチに授粉のほとんどをしてもらっている農家が大変困っています。
そんな時、蜂蜜のことがキッカケで知り合いになった、犀川をはさんで向かい側の山にお住まいの養蜂家小林さんご夫妻に誘われ、蜂蜜採集に同行することになりました。
場所は日本海に程近い新潟県との境、北小谷村です。第一陣の2人は朝4時半に出発、第二陣の我々2人を含んだ4人は5時半に出発しました。


途中崖沿いのがたがた山道を走り約1時間で現場に到着です。山の中にこんな平地があるのかとビックリするくらいの広い平坦地に約60箱の巣箱が置いてあります。先に出発した小林さんのご主人達はもう作業を始めていました。 早速頭に被るネット等防護用品を身につけて我々もスタンバイです。と言っても我々2人はたいした手伝いはできません。邪魔にならないように見学するのが精一杯です。

巣箱から取り出した蜜たっぷりの板の表面についた蜜蠟、蜂の子等を取り除きます。そしてそれを攪拌機(右側のドラムカン)に入れて蜂蜜を搾り出します。その搾りたての蜂蜜の美味しさは抜群です(ただし蜂の死骸等異物入り)。

ミツバチは気温の低い時は活動が鈍るそうです。したがって朝早いうちに出来るだけ作業を進めます。巣箱から取り出した板にはまだ目も覚めやらぬミツバチがべったりついています。

この巣箱を置いている小谷村は信州でもとりわけクマの多い地域です。この採集場も時々クマの被害にあっているそうです(クマは蜂蜜が大好物)。クマ対策として巣箱の周囲に800ボルトの電流を流している電気柵をめぐらせています。それでもクマに箱ごと持っていかれる被害にあうそうです。

早朝から3時間の作業で休憩にはいりました。我々2人はこれで本日は終了です。搾りたての蜂蜜をいただいて家路につきました。






2009年6月1日月曜日

焼締陶


昨日、我が家の隣町信州新町に、二十数年前に東京から移り住んで窯を築いていらっしゃる塙(ばん)さんをお訪ねしました。春の窯出し展のお知らせを頂き、霧のかかった深い山の中の濫觴庵(らんしょうあん)に初めて伺いました。

釉薬を使わずに、窯の原点である穴窯で、楢、椚等二千束もの薪を七日間も燃やし続け、厚く降りかかり溶けた灰による自然釉で深い色合いと模様を作り出す 「焼締陶」 という奈良時代から続いている焼きものだそうです。



ご覧のような深い色合いと手捻りの優しいフォルムは、雨にぬれた深い緑に自然に溶け込んでいました。そして この器でお茶までいただき、しばし幽玄の世界に身を置いているようなひと時でした。